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ホイールの選び方のコツとは?ホイールの種類も交えて詳しく解説
「ホイールを選ぶときに気をつけることってなんだろう?」
ホイール選びに迷ったことはありませんか?
ホイールは「デザイン」「機能」「素材」「サイズ」を比較し、バランスのとれたホイールを選ぶことが重要です。
さまざまな要素を総合的に判断し、無理のない価格のホイールを選ぶと納得のいくホイールを手に入れられます。
この記事では、ホイールの選び方とホイールの種類について詳しく解説します。
ホイール選びに迷ったときには、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
ホイールの選び方
ホイールを選ぶときに重要なポイントは以下の3点です。
・ホイールのサイズを確認する
・ホイールの素材を確かめる
・デザインや機能性など総合的に考える
それぞれのポイントを解説します。
ホイールのサイズを確かめる
1つめのポイントはホイールのサイズを確かめることです。
ホイールのサイズは15インチ、16インチなどさまざまな大きさがあります。
もちろん所有している自動車に合ったサイズを選ばなければなりません。
さらに、車検が通るホイールなのか注意する必要もあります。
「道路運搬車両法」には、ホイールがフェンダーをはみ出してはいけないと規定されています。
つまり、車体に見合わないホイールを装着すると車検に通らないばかりか、法律違反になるおそれもあるのです。
なお、ホイールサイズの見方は後ほど詳しく解説します。
ホイールの素材を確かめる
2つめのポイントは、ホイールの素材を確かめることです。
ホイールに使われている素材の中でも、特にアルミは広く一般的に使用されている素材で、デザインと機能面でバランスがとれています。
どのホイールがよいのか迷う場合は、アルミ製のホイールを選択するとよいでしょう。
なお、ホイールに使用されている各素材の特徴は後ほど詳しく解説します。
デザインや機能性など総合的に考える
3つめのポイントは、デザインや機能性など総合的に考えることです。
アルミホイールにはさまざまなデザインがあります。
自分の好みに合ったデザインを選びましょう。
機能性は燃費や走行性能に影響を及ぼします。
ただし、軽量のホイールは走行性能が良くなるものの、衝撃で歪みを生じるおそれがあるため、その点を考慮しなければなりません。
重視すべき性能を明確にしたうえで、予算に無理のない価格のホイールを選ぶとよいでしょう。
なお、ホイールのデザインは後ほど詳しく解説します。
ホイールというと、おしゃれでかっこいいデザインのものを選びがちです。
たしかに個性を表すのであれば、デザインは最も重視すべきポイントです。
しかし、走行性能、燃費といったホイールの機能も忘れてはいけません。
さらに、ホイールの素材によってデザインや性能が大きく変わります。
こうした点を総合的に判断し、バランスのとれたホイールを選ぶように心がけましょう。
ホイールの種類
ホイールにはさまざまな種類があり、構造、デザイン、素材などによって大きく分かれます。
それぞれの特徴を掴んだうえで最適なホイールを選ぶことが重要です。
ホイールを選ぶうえで重要な要素となる種類について詳しく解説します。
ホイールの製造方法
ホイールを製造する方法は鋳造、鍛造(たんぞう)の2種類あります。
それぞれの製造方法を解説します。
鋳造
鋳造は高熱に溶けた金属を鋳型に流し込み、冷やして製造する方法です。
ほとんどのホイールは鋳造で製造されています。
大量生産しやすく細かな装飾が可能なため、デザイン性にすぐれたホイールの製造と加工が可能です。
価格やデザインを重視する場合は、鋳造のホイールを選びましょう。
鍛造
鍛造は金属を高圧でプレスして成型する方法です。
鋳造に比べ、高密度で強度が高く耐久性にすぐれています。
時間をかけて徐々に圧力を加えるため、コストがかかります。
鋳造に比べ、単純なデザインのものが多い点が特徴です。
機能面を重視したい場合は、鍛造のホイールを選ぶとよいでしょう。
ホイールの構造
ホイールの構造は以下の3種類に分かれます。
・1ピースホイール
・2ピースホイール
・3ピースホイール
それぞれの構造を解説します。
1ピースホイール
1ピースホイールはディスクとリムが一体となったホイールです。
1ピースホイールの場合、ディスクとリムが1つのパーツとして構成されています。
パーツ数が少ないため大量生産しやすく、手ごろな価格で購入できるメリットがあります。
一方でデザイン性は2ピースホイールや3ピースホイールの方がよく、個性的なホイールを装着したい場合は、そちらを選ぶとよいでしょう。
2ピースホイール
2ピースホイールはディスクとリムがそれぞれ別のパーツとして組み合わされたホイールです。
別々のパーツとして構成されているため、細かな細工や微調整をしやすく、おしゃれなホイールの多い点が特徴です。
2ピースホイールの場合、組み立てに時間を要するため、その分価格も上がります。
3ピースホイール
3ピースホイールは、ディスク、インナーリム、アウターリムを組み合わせたホイールです。
それぞれ別のパーツで構成されているため微細な加工がしやすく、2ピースホイールよりもさらに細かな調整が可能です。
そのため2ピースホイールよりも、おしゃれなホイールに仕上がります。
ただし、パーツ数がさらに増えるため組み立てが複雑になり、2ピースホイールよりもさらに値段は上がります。
ホイールのデザイン
ホイールのデザインは主にスポーク、ディッシュ、メッシュ、フィンの4種類あります。
それぞれのデザインについてご紹介します。
スポーク
スポークタイプは、車軸からスポークが伸びているデザインです。
力強さとスポーティーなイメージが強く、スポーツカーなどスピードのある車に多く使われます。
一般的によく見られるホイールもスポークタイプです。
ディッシュ
ディッシュタイプは平面状の板でできたデザインです。
単一の平版のほかに、複数の平板を重ねたデザインもあります。
落ち着きと重厚感があり、主に高級車などでよく見られるホイールです。
構造が複雑でないため大量生産されやすく、比較的手ごろな価格で購入できるメリットがあります。
落ち着きがある反面、質素でアクティブなイメージがないホイールといえるでしょう。
メッシュ
メッシュタイプはスポークをメッシュ(網)状にしたデザインです。
メッシュは細いものと太いものがあり、太いメッシュの方が力強い印象を与えます。
細かな加工がされており、車種を問わずどのようなタイプでも違和感なく装着できるホイールです。
フィン
フィンタイプはスポークがフィン(羽)状になったもので、ホイールの中心からフィンを張り巡らしたデザインです。スタイリッシュなデザインのため、軽やかな見た目で走りの鋭さを感じさせます。フィンの表面積を活かした冷却作用もあり、タイヤや車輪の熱を逃がす効果もあります。
ホイールの素材
ホイールに使われている素材はアルミ、スチール、カーボン、マグネシウムの4種類あります。それぞれの特徴を解説します。
アルミ
アルミホイールはアルミニウムを素材とするホイールです。ホイールの中でも、最もよく見かけるホイールで、自動車のホイールといえばこのホイールを指すといっても過言ではないでしょう。
軽量なため走行性と燃費にすぐれ、大量生産されることから手ごろな価格で購入できます。悪路など走行すると歪みや割れが起こりやすいデメリットもあります。
スチール
スチールホイールは鉄を素材としたホイールで、アルミホイールとともに広く普及しているホイールです。鉄製のため頑丈で割れや歪みが起きにくく、車体の重量を支えるだけの耐久力も持ち合わせています。
ほかの素材と比べるとホイール自体に重量があるため、速度に影響を与えやすく燃費の悪い点がデメリットです。
カーボン
カーボンはアルミホイールよりさらに軽量で燃費や走行性能にすぐれています。ただし、カーボンの加工に手間を要するため、アルミホイールに比べるとさらに割高です。
しかし、その性能のよさから、予算に余裕があれば購入を検討してみるのもよいでしょう。
マグネシウム
マグネシウムホイールは非常に軽量で耐久性にすぐれるホイールです。レーシングカーのホイールとして採用されていることからわかるとおり、通常の自動車で使われているホイールよりもあらゆる面ですぐれた能力を備えています。
魅力的ではあるものの、非常に高価なため余裕資金が十分あるか確認のうえ購入しましょう。
ホイールサイズの見方
ホイールを選ぶ際には、ホイールサイズの見方を知ることが非常に重要です。
以下のホイールサイズを例に各項目を解説します。
16×61/2 J 6 114.3 50
リム径:16(インチ)
リム幅:61/2(インチ)
フランジ形状:J
ボルトの穴数:6
P.C.D:114.3(mm)
インセット:50(mm)
リム径
リム径はホイールの直径を表します。
リム径が大きいと車輪そのもののサイズも大きくなるため、車体に合ったリム径のホイールを選ぶ必要があります。
リム径の単位はインチです。
リム幅
リム幅はホイールの幅を表します。
タイヤをはめ込む部分のサイズで、リム幅に合ったタイヤを装着しなければなりません。
リム幅が大きければ大きいほど厚みがあることを意味します。リム幅の単位はインチです。
フランジ形状
フランジはタイヤとホイールが接する外環部分の形状です。
アルファベットで表記され、「B」「J」「JJ」が割り当てられています。
形状を表す記号のため、単位はありません。一般的によく使われるのは「J」です。
ボルトの穴数
ボルトの穴数はディスク部分とホイールを留めるボルトの数を表します。
単位は個です。
通常は4〜6本のボルトで固定されます。
P.C.D
P.C.DはPitch Circle Diameterの略でピッチサークル直径と呼ばれます。
ホイール中心部のボルト穴を円で結んだ際の直径が該当します。
P.C.Dはメーカーによって規格が定められており、
単位はmm(ミリメートル)です。
インセット
インセットはホイール装着の目安となる部分で、リム幅中心からホイールの取り付け座面までの長さを指します。
インセットのほかに、ゼロセット、アウトセットもあり、それぞれ取り付け位置が変わります。
インセットの場合、取り付け座面が車体の外側に位置するため、車体重量をしっかりと支えられる点が特徴です。単位はmm(ミリメートル)です。
効果的なホイールの選び方
ホイールを選ぶ際には、タイヤ専門店、もしくはカー用品店で実物を見るか、シミュレーターで確認する方法があります。
タイヤ専門店、カー用品店で実物を確認することで、実際のサイズ感やデザインを直接確認できます。イメージと違う部分を発見できるかもしれません。できるだけ実物を見てからホイールを選びましょう。
とはいえ、タイヤ専門店、カー用品店まで足を運ぶ時間がないこともあります。そのような場合は、カー用品店やタイヤ専門店のホームページにあるシミュレーターを利用してみましょう。イメージを掴みやすく、どのホイールを選べばよいかイメージしやすい点がシミュレーターを利用するメリットです。合わせて見積もりも可能です。ぜひシミュレーターも活用してみてください。
各人気ホイールメーカー
ここで、よく知られる人気のホイールメーカーをご紹介します。
メーカーごとの特徴を踏まえて、お気に入りのホイールを見つけてみてください。
BBS(ビービーエス)
BBSは世界的な鍛造ホイールメーカーで、ドイツのメーカーと富山県のワシマイヤー株式会社の提携によりBBSジャパンが創設されました。代表的なホイールは「BBS」シリーズの「LM」「LM-R」「RI-A」です。
鍛造ホイールといえばBBSの代名詞ともいえるほど技術力が高く、誰もが一度は耳にしたことがあるメーカーです。なお、鋳造ホイールはドイツで製造されており、鋳造と鍛造を別々の国で供給する体制がとられています。
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SSR(エスエスアール)
SSRはレーシングチームも持つ30年以上の歴史を誇る国内のホイールメーカーです。
レースで培ったノウハウをホイールの製造にも活かしており、レースで使われるホイールと同じ品質のホイールを供給するなど、高い品質にこだわりを持ち続けているメーカーです。「EXECUTOR(エグゼキューター)」「GT」「Professor(プロフェッサー)」など、さまざまなブランドを取り揃えてます。
その品質の高さは、ホイールの標準であるJWLより厳しい独自の基準を設けていることからもわかります。
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Weds(ウェッズ)
Wedsは国内で初めて鍛造3ピースアルミホイールを製造した老舗のホイールメーカーです。その歴史は古く、1968年にまでさかのぼります。今でも根強いファンから支持され続けているホイールメーカーです。Wedsの代表的なブランドは「Kranze(クレンツェ)」「MAVERICK(マーベリック)」で、幅広い車種に対応しています。
Wedsの特徴はAMF製法により、耐久性、デザイン、軽量化にこだわりのあるホイールを製造している点です。高いマーケティングリサーチも相まって、現在も人気メーカーの一角を担う存在として高品質のホイールを提供しています。
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ENKEI(エンケイ)
ENKEIは創業から70年以上を誇る日本の老舗ホイールメーカーです。
長年に渡り蓄積された経験とノウハウをもとに、日本のみならず海外でも人気のあるホイールを多数提供しています。代表的なブランドは「WPS」「all」で、おしゃれなデザインが特徴のホイールです。レース参戦時のノウハウを活かした「Racing」も人気ブランドのひとつです。
ENKEIのホイールはF1チームでも使用されているほどで、いかに信頼性が高いのかがよくわかります。ダービル鋳造システム、MATプロセスなど、ENKEI独自の製法により、高品質のホイールを製造する点が大きな特徴です。
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MID(マルカ)
MID(マルカ)は知名度が高く、数多くのタイヤ専門店やカー用品店で誰もが一度は目にしたことのあるホイールメーカーです。企画、製造、販売まで一貫したホイールづくりを実施しているメーカーで、品質には定評があります。Maruka Intelligence Designと呼ばれるブランドで、こだわりのあるホイールが特徴です。
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WORK(ワーク)
WORKはデザイン性の高いホイールを製造するホイールメーカーです。
デザインのほかにも耐久性が高い点も特徴で、悪路での走行に適しています。メキシコで開催されるバハ1000(デザートレース)では、破損することなく走破し優勝するなど、実績は折り紙付きのホイールです。ワーク・ソリッド・リムと呼ばれる独自技術により、高い信頼性を誇るホイールを製造し続けています。
代表的なブランドは「GNOSIS(グノーシス)」「MEISTER(マイスター)」「Equip(エクイップ)」「ZEAST(ジースト)」です。特に「WORK EMOTION CR 3P(ワークエモーション)」は3ピースホイールで、おしゃれで人気のあるホイールです。
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KYOHO(キョウホウ)
KYOHOはAMEブランドで有名なホイールメーカーです。
製品ラインナップが豊富で、小型車から大型ワゴンまであらゆる車種に対応している点が特徴です。コストパフォーマンスにすぐれたホイール、あるいは高級感のあるホイールまで選択肢の幅が広い点がKYOHOが提供するホイールの魅力といえるでしょう。
数多くのブランドの中でも「AME」はメッシュタイプのホイールで、奥行きのあるリムが特徴です。
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RAYS(レイズ)
RAYSは鋳造ホイールと鍛造ホイールの両方を製造する知名度、人気度ともに抜群のホイールメーカーです。
RAYSが提供するホイールは信頼性が高く、国内はもとより海外にも多くのファンがいるほど人気があります。鋳造ホイールと鍛造ホイールの両方を製造していることから、特に耐久性にすぐれ、SUV向けのホイールには定評があります。
代表的なブランドは「VOLK RACING(ボルクレーシング)」や「TEAM DAYTONA(チームデイトナ)」「gram LIGHTS(グラムライツ)」「HOMURA(ホムラ)」です。
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このほかにも、タイヤメーカーのヨコハマ、ブリジストン、あるいはホイール専門メーカーのクリムゾン、ホットスタッフなど国内には優良のホイールメーカーが数多く存在します。さらにはOZ Racing、KMCといった海外のホイールメーカーなど、数え上げればきりがありません。
さまざまなホイールを実際の目で見て確かめてみてください。
まとめ
今回はホイールの選び方と、ホイールの種類について解説しました。
ホイールを選ぶ際には、「デザイン」「機能」「素材」「サイズ」を軸に所有する自動車に合ったホイールを選ぶことが重要です。
自分の好みに合ったデザインを選ぶことはもちろんのこと、走行性能や燃費を考慮のうえ、予算に見合ったホイールを探してみましょう。もちろん、自動車のサイズに最適なホイールであることはいうまでもありません。
サイズを見るときには、ホイールに記載の数値や記号を見ると、どのホイールが適したサイズかわかります。自分で確かめる方法もありますが、よくわからない場合にはタイヤ専門店やカー用品店のスタッフに相談するのもひとつの手です。
今回ご紹介したホイールの種類や各ホイールメーカの特徴を踏まえて、自分好みのホイールを選んでみてください。